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【良い戦略悪い戦略:リチャード・P・ルメルト】「戦略の戦略家」は言うことが違う

ビジネス ビジネス-戦略
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あなたの会社のホームページには「ビジョン」が載っていますか?

さらに「ミッションステートメント」とか「価値観」も書いてありますか?さらにさらに「戦略目標」があって、その「イニシアチブ」もつけられていますか?

あるある!あー、うちの会社も「良い戦略」を持った優良企業で良かったわ。って思った人、危険信号です。すぐにこの本読むべきですよ!

《目次》

 

悪い戦略とは?

空疎である ー 戦略構想を語っているように見えるが内容がない。華美な言葉や不必要に難解な表現を使い、高度な戦略思考の産物であるかのような幻想を与える。

これは「悪い戦略」のパターン代表格なんです。 

著者のリチャード・ルメルトは「戦略の戦略家」と呼ばれる戦略論の大家で、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄も近著で一般書を書いている数少ない一流の学術研究者として紹介しています。

この人が凄いのは、CIAとかNATO、国連まで、おいおいこんなに言って大丈夫か!ってほどディスっているところです。普通の感覚なら怖くて何も言えません。だって殺されたり国策捜査されたら嫌じゃないですか。

企業の例では日本のメーカーNECがディスりの対象になっていました。

ルメルト氏が戦略発表会に出席した当時、NECの今後10年のビジョンは「人と地球にやさしい情報社会をイノベーションで実現するグローバルリーディングカンパニー」だったそうです。

ルメルト氏は通信機器業界の利益率の低下を指摘し、「NECに必要なのは利益を増やす戦略であって、聞こえの良いスローガンではない」と論破します。

ここまで読んでどう思いますか?私はというと、めちゃめちゃショックを受けました。

なぜなら以前外資系企業に勤めていた私は、聞こえの良いビジョンやバリュー、戦略を立て、それらが書かれたカードを配って社員に浸透させることは、企業、特に経営者が何よりも優先させるべきものだと信じ込んでいたからです。アホ丸出しですねえ。

 

良い戦略とは?

良い戦略は必ずと言っていいほど、単純かつ明確である。

パワーポイントを使って延々と説明する必要などまったくないし、戦略マネジメントツールだとか、マトリクスやチャートといったものも無用だ。

必要なのは目前の状況に潜む一つか二つの決定的な要素、すなわち、こちらの打つ手の効果が一気に高まるようなポイントをみきわめ、そこに狙いを絞り、手持ちのリソースと行動を集中すること、これに尽きる。

そう。勝負に勝つのは最も重要なポイント1点を全力で押し切ったヤツなのです。極めてシンプルです。

空虚なビジョン、「思考は現実化する」的な無駄にポジティブなニューソート、 トップダウンの根拠のない数字目標、これらは全部戦略じゃなかったんです。

そうだとすると、世の中は何て「悪い戦略」ばかりで埋め尽くされているんでしょう!

この記事を読んだあなたは、これ以上「悪い戦略」をはびこらせないでください。本当お願いしますよ。