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【3年で辞めた若者はどこへ行ったのか:城繁幸】イケダハヤト的フリーランス神格論ってどうなの?

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あなたは日曜にサザエさん症候群が発症して「明日会社行くの憂鬱だわー、別ルートで金稼げるなら即辞めるのに。でも安定収入ないのは怖いなー」ってつい考えちゃう人ですか?

 

《目次》

 

自己成長に焦点あてるのってどうでしょう 

富士通を辞めた人事コンサルタント城繁幸の「若者はなぜ3年で辞めるのか?」「7割は課長にさえなれません」との3部作で、「3年で辞めた若者はどこへ行ったのか」は2作目です。

サブタイトル通り、年功序列で会社にしがみつく昭和的価値観を捨てたアウトサイダー(と言うのか?会社員なのに)がインタビュー形式で登場します。

邦銀やメーカーに就職した同期なんかと話すと、ものすごく度胸があるなって感心します。だって、自分の市場価値なんて、まったく考えていない。将来会社が潰れたりしたら、絶対路頭に迷うはず。なんでそんなに他人に人生を任せられるのか。私に言わせれば、ああいう生き方の方がはるかに高リスクな時代でしょう。もし明日解雇されたとしても、私には来週から別の投資ファンドで働ける自信がありますから。キャリアというものは、本来そういうものだと思いますよ。

これは28歳日系ヘッジファンド社員の語りです。さすが金融エリート。リスクを会社に預けない姿勢はスマートでカッコいいですよね。 

2008年の本ですが、「会社にしがみつく方が高リスク」的な論調は今はよく聞きます。当時はそれほど声高に言われてなくて、この本がハシリなのかもしれません。

でもよく考えてください。このヘッジファンド社員って結局自分個人にしか焦点があっていなくてカッコ悪いなあとか思いません?

自分の市場価値を高めることが一番!って考えるキャリア観の先に、実力を高める最中に「人生を賭して達成したいこと」を見つけ、それに没頭するキャリアをイメージしているのであればマシです。もしそうでないのなら、いかに実力が上がって市場価値が高まって高収入を得られようとも、自分自身だけのために生きてるんじゃ虚しいだけです。

そろそろ「自分のため」をモチベーションに仕事するのはやめましょうよ。

確かに若いうちに高収入が得られてはじめて、目の前の仕事だけでなく、社会はこうあるべきだという理想に目が向くのかもしれません。マズローのモチベーション理論で、衣食住が足りてはじめて、自己実現という上位の欲求に移行することが知られています。歴史上活躍した人物も、衣食住の足りた上流階級が多いですよね。幕末志士の面々とか、チェゲバラとか。

しかし、今は会社勤めで衣食住がままならず日々生きるのが精一杯という世の中でもないだろうよ。いきなり自己実現、つまり社会や周囲に広くインパクト与えることをモチベーションに働いてもいいだろということです。

人生は限られてていつ死ぬかも分からないんだから、悠長に自分磨いている暇なんてないんです。いきなり達成したいことをやらないと。やりながら足りないところを磨けばいいんです!

それに会社の環境をうまく利用して自分の実力を上げようというのは、自分が今現在やっていることを軽視し、半ば否定すらしている態度じゃないでしょうか。

 

イケダハヤト的フリーランス神格論ってどうでしょう

タイトルと見出しに一見矛盾するようですが、イケダハヤトさんのキャラと記事、私は大好きですし尊敬してます。イケダさんの本とブログがきっかけでブログ始めたほどです。

私は田舎育ちで今も田舎暮らしなため都会で消耗するのはまっぴらごめんで共感できるし、記事をあげる頻度の高さ(ネタを見つける力)には敬服します。

ただ、 やたら会社なんて辞めたらいいんですって、他の有望ブロガーをそそのかすのはどうなんでしょう?

例えば最近、はてなブログの「今日はヒトデ祭りだぞ!」の人にぶっこんでいます。

イケダさんは自分のスタンスがあるので偏った記事ばかり書くのは理解できます。でもそこでヒトデの人はヒトデの人で、趣味を仕事にしたくないとか安定しないからってトーンなんですよ。

そうじゃないでしょ!会社にいるのって、組織に属していなければ達成できないことがやりたいからじゃないんですか!が、あまりこの手の考えの人、正確を期すため限定していえばブロガーっていなさそうです。 

組織に属していなければ達成できないことってたくさんあります例えば、ロケットを造りたい!て思ったらJAXAやNASA、スペースXとかに在籍しなければ実現できません。

イーロン・マスクみたいに自分で会社を起こす選択肢もあるのでしょうが、果たしてそれが最短ルートでしょうか?多くの異分野の専門家の知識を集約しなければ実現できないことってたくさんあって、それを一から集めるのは非効率です。超絶なバイタリティと時間が要ります。特にデカかったり、金がかかったり、規制が厳しい産業のモノづくりはそうです。

人生を賭けて成し遂げたいことが組織にある。会社に洗脳されたり他の誰かに言われるのではなく、内的感情からそれが湧き出ていると実感して仕事している人こそ、最高のパフォーマンスをあげられるのではないでしょうか。

 

まとめ

誤解してほしくないのは、自分の達成したいことがフリーでできるのであれば、会社にいる必要なんて全然ありません。 

ただ、会社にいなければ実現不可能なこともあって、それに賭けるのも一つの最高の生き方だってことです。フリーランスが絶対良いって神格化はどうだろうと。

あ、会社に嫌々勤めてたり、自分磨きにだけ焦点をあててる人は論外ですよ。

 

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