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【運を支配する:桜井章一/藤田晋】ギャンブルと人生で負けない秘訣

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こんにちは、引用書店 店長です。

得意淡然 失意泰然」って、聞いたことありますか?

端的にいうと「調子良いときは謙虚に淡々と事をこなせ、調子悪いときは萎縮せず堂々としろ」という意味です。調べてみると中国は明時代、崔後渠(さいこうきょ)が著した『六然(りくぜん)』という故事がハシリのようです。

《目次》

 

ギャンブルだけでなく人生にも効く本

麻雀の裏プロとして引退するまで二十年間無敗で「雀鬼」の異名をとった桜井章一と、サイバーエージェント社長 藤田晋の共著『運を支配する』から考察します。

なぜ藤田さんが麻雀?と疑問に思う方のために説明です。

藤田さんは去年「麻雀最強戦2014」に著名人代表として出場し、並みいるプロを負かして頂点の最強位についたほどの実力の持ち主。今年はサイバーエージェントから賞金も出して連覇に臨むも、惜しくも予選敗退に終わりました。

実業界の藤田さんは勿論のこと、桜井さんにも共通していえるのは、彼らの言葉にはギャンブルだけでなく人生にも効く教訓が詰まっている点です。

 

調子良いとき(得意)の立ち回り方

ツイている、調子が良いとき、冒頭の故事成語でいえば「得意」のとき。あなたはどういう態度をとるべきか?どのように立ち回れば、「得意」の状態を保ち、たとえ運が落ちても対処できるのか?

桜井:私は運は自ら呼び寄せるものではなく、「運がその人を選ぶ」と思っている。

普段からしかるべき準備をし、考え、行動していれば、おのずと運はやってくるものだからだ。同じエネルギーを注いでも、間違った考え方のもとに正しくない行動をすれば、当然運はやってこない。

こうした日々の生きる姿勢におけるちょっとした差によって、運はやってきたり、こなかったりする。

「なぜ、俺はこんなにツイていないんだ!」と嘆く人は、嘆く前に自分がとってきた行動を振り返ってみるといいだろう。

調子がいいときに、驕った気持ちになって仕事を軽く見ていなかったか?自分の損得ばかり考えて周りの人への配慮が足りないことはなかったか?いつも安全策ばかり講じてリスクをとることに及び腰でなかったか?

調子の良さや成果に驕って仕事を軽く見たら、運は落ちます。藤田さんも「絶好調は本来の自分ではない」と、史上最年少で上場したときや会社の業績がよいときには言い聞かせています。 

調子が良いときは、「得意淡然」で謙虚に立ち回ることです。

 

調子悪いとき(失意)の対処法

反対にツイていない、調子が悪い「失意」のときはどう対処すればよいのでしょうか?

桜井:スランプに陥ったとき、何よりも大事なのは、スランプの状態に囚われないことだ。ところが、スランプに陥ると人はそこから少しでも早く抜け出そうとして焦り、かえってその状態に囚われてしまう 

調子が悪いときは「失意泰然」で不運に囚われず、ドツボにハマらないことです。

でもそれだけで良いのでしょうか?

本著を読むまで、スランプ時期は「失意」を気にせず堂々とすることだけ心がけてたのですが、下記の部分を読んでそれだけではダメだと思い直しました。

藤田:仕事で開き直ったら終わりです。トラブルで精神的に追い込まれた人が開き直っているのを見ると、ものすごく無責任に感じます。会社組織にいる人は、みんな自分の顧客や会社でともに働く仲間、あるいは家族などに対し責任を負って仕事をしているわけですから、開き直るというのは非常に自分勝手な振る舞いなのです。 

桜井さんもギャンブルの場で開き直ることは「逃げ」だと語っています。気持ちの切り替えは良いが、現状に目を向けずにギブアップして運を待つのは「逃げ」で、そこから事態を好転させることは期待できないそうです。

失意のときは、困難に囚われずに泰然とした態度でいると同時に、対象に正面から向き合って意地でも打つ手を探す粘り強さも必要です。

 

おまけ

「得意淡然 失意泰然」という言葉を、私はライフネット生命社長 岩瀬大輔さんの著書で知りました。
ところで日本のビジネス書で書かれる内容って、古くは『論語』や『孫氏の兵法』といった中国故事か、経営理論にしてもマイケル・ポーターとかJ・B・バー二ーといった大家による著書の焼き回しが多いですよね。対して、洋書は著者オリジナルで新しいことが書かれている場合が多くあります。例をあげると、既に記事にしたピーター・ティール『ゼロ・トゥ・ワン』とかベン・ホロウィッツ『ハードシングス』。
日本のビジネス書業界は、海外(米国メイン?)から遅れて知識が輸入される格差を利用した商人的ビジネスモデル。一方、米国ではまさにゼロ・トゥ・ワンの言葉どおり、ゼロから生み出したオリジナルを提供する革新的ビジネスモデルになっていると読み取れます。
現在の日本と米国の「ビジネス書」動向の差って、そのまま「ビジネス」の革新性の差が反映されているような気がします。何だか悔しいですね。
あ、誤解のないように、岩瀬大輔さんの著書はオリジナル要素もあり含蓄に富んでいる名著が多いですよ。それも英国からの帰国子女でハーバードMBAという岩瀬さんの個性に由来するものかも知れませんが。
何にせよ、日本人はもっと視野を広げて「日本発」を生み出さなきゃということです。
 

藤田晋の他の本

見城社長をリスペクトしているため、藤田さんの本は幻冬舎から出ます。