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【殺人犯との対話:小野一光】人は人をなぜ殺すのか、殺した後に何を考えるのか

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※グロ注意:一部グロい描写が含まれますので、認知した上で読み進めてください

『殺人犯との対話』はHONZで知りました。

honz.jp

本著は10の殺人事件、殺人犯を取材して書かれたルポルタージュをまとめたものです。なかでも、その残虐性からマスコミが自主規制したため一般人があまり知ることのなかった「北九州監禁連続殺人事件を取り上げます。

昨日少し触れましたが、『闇金ウシジマくん』で「洗脳くん」の元となった実話です。

《目次》

 

北九州監禁連続殺人事件の主犯の姿

男の名は松永太。面会時は47歳。福岡県北九州市で1996年2月から98年月にかけて、7人が殺害された「北九州監禁連続殺人事件」の主犯である。

2002年2月、松永と内縁の妻である緒方純子に監禁されていた17歳の少女が、同市内の祖父母宅へと逃走したことで犯行が発覚。逮捕された松永は、7人全員に対する殺人(うち1件は傷害致死)などの罪に問われて一審、二審ともに死刑判決を受けた。私が面会したときは、最高裁に上告中であった。

このように、著者の小野さんが死刑囚と面会し、声を聞きながら事件を回顧するスタイルが10の殺人事件全てに貫かれています。 彼らの人物像、語る言葉は事件を理解する上で重要な情報です。

本著は「人は人をなぜ殺すのか」だけでなく、「殺した後に何を考えるのか」も知ることができる本と言えるでしょう。

 

『闇金ウシジマくん』と同じ虐待・殺害・処理方法

通電とは電気コードの先に金属製のクリップをつけた器具を躰に装着して、100ボルトの電流を流す虐待方法だ。松永は純子に通電を繰り返し、彼女の右足の小指と薬指は火傷でただれ、癒着するほど痛めつけられていた。

『闇金ウシジマくん』の「洗脳くん」と全く同じです。しかも松永は、一連の殺人事件に手をかける前に、人はどこまで通電に耐えられるのかを実験して経験を蓄えていたとのこと。人はなぜここまで残虐になれるのでしょうか。

この他にも、「洗脳くん」で描かれた遺体をバラバラにして処理する方法も全く同じように書かれています(あまりにグロいので自粛しますが)。冗談ではなく、この事件について知りたければ『闇金ウシジマくん』と合わせて読むことを奨めます。文字でだけでなく、フィクションとはいえ視覚的な画は理解を助けます。

松永は主犯であるにもかかわらず、自分の手は一切汚さずに、三世代家族6人を含めて7人の命を奪いました。通電、電気コードで絞殺、眠気覚まし剤とビールなど、7件全ての悪辣な手口の概要が書かれています。

 

まとめ

何度でも書きますが、日常と非日常は地続きです。凄惨な事件に踏み込んで書かれた本著を読んで、これらを「向こう側」の出来事だと突き放してはいけません。

直視するのは辛いけれども社会の一員として事件を知り、自分の周り、自分の身にも起こりうると想像することが真摯な態度ではないでしょうか。「もし被害を受けたらどうするか?」「加害者になりそうなときはどう思考するべきか?」といった対抗策を無意識下にでも武器として携えておくことで、事件の発生や助長を少しでも抑えることができると思うのです。

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