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【日本は本当に戦争する国になるのか:池上彰】戦争と付随する被害のリスク

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集団的自衛権が国会審議を通った今、日本は本当に戦争に参加するようになるのか。この疑問にあなたは答えられますか?

わたしは答えられませんでしたので、池上彰著『日本は本当に戦争する国になるのか』を読みました。まだ出版されて1ヶ月なので、極めてタイムリーな解説が読めますよ。巻末に1960年日米安保条約と、1951年旧日米安保条約の全文も付いています。鵜呑みにせず自分で考察するのなら原文が必須です。別途調べずに本著一冊で材料が揃うところは便利。

《目次》

 

いきなり結論

平和維持活動で海外に出て行った自衛隊員が現地で銃撃戦をして、殺したり殺されたりするリスクは、今よりはるかに高まるのです。

いきなりですが、書籍のタイトルの答えはこれです。

集団的自衛権を含めて同時に国会を通した法律改正案10本と新法1本のなかの「国際平和支援法」によって、自衛隊の後方支援が恒久的に可能になります。これが決して安全ではないことを、アフガニスタンに軍を派遣したドイツの例をあげて説明しています。

 

安倍首相の祖父への思い

歴史に名を残した偉大な祖父への思い。あの時、岸首相が猛烈な反対を押し切って日米安保条約を改正し、それによって戦後日本の安全が確保されたのだという思いが安倍さんにはあります。だから、「たとえどんなに反対されても、絶対にやり抜くんだ。いつか必ず国民に理解してもらえる」と安倍さんは考えたのでしょう。世論調査で法案に反対が圧倒的に多くても、国会前や各地のデモがいくら激しくなっても、もうそんなことはお構いなしに突っ走ったということです。

「絶対安倍さんは祖父と同じことをしようとしてる!」って集団自衛権の報道をみるたび思っていました。周りが反対していることでも信念を持って英断を下せば国家が救われる、と偉大な祖父と自分を重ねて半ば酔っているんじゃないかと。それを池上さんがはっきり言ってくれました。いやースッキリ。

60年の安保闘争では学生をはじめ市民33万人が国会議事堂を取り巻いたので、「60年安保と比べればSEALDsとか余裕だろ」とか思ってるんじゃないかともなんとなく感じていましたが、これも池上さんが書いてくれています。

 

まとめ

他にも強引に法解釈で済まして集団的自衛権を通そうと答弁がブレる政府、96条を改正して3分の2の賛成を過半数の賛成で発議しようとした経緯、非現実的なホルムズ海峡の機雷撤去という想定、安保法案とは関係ない尖閣諸島の議論、など必要十分な解説をしてくれています。池上さんのまとめ方、見習いたいですね。

 

池上彰の他の本

池上さんの教養とまとめ力を見習いたければ、この本がいいです。キュレーションはセンスが出ます。センスを感じれば少しでもマネできるようになれそう。