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【大局観:出口治明】自分で判断する軸をつくる最強の武器

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人が言うことを鵜呑みにしないためには思考の軸が必要です。上司や友人の発言だけでなく報道も、法規制でさえも所詮誰かが言っている、書いていることです。自分で考え直すことが判断を誤らない良策です。

でも、どうやったら軸なんてできるのか?

出口治明著『大局観』にその手がかりが書かれています。

《目次》

 

ライフネット生命保険を設立した2人

著者の出口治明さんは、ライフネット生命保険の代表取締役会長を務めている人物です。

2006年に30歳年下の岩瀬大輔さんと準備会社を設立。2008年の生命保険業取得に伴い、ライフネット生命保険を開業しました。2013年には社長を岩瀬さんに譲っています。

日本生命保険出身のカリスマ業界人の出口さんと、ハーバード大MBA卒のベイカースカラー(成績上位5%)というエリート中のエリート岩瀬さんが組んで起業したライフネット生命は、日本国内では74年ぶりの独立系生命保険会社です。高い参入障壁をクリアした画期的な会社。60歳超えの業界人と、30歳そこそこのビジネスエリートという組み合わせが見事にハマった事例です。単純だけど、いや単純だからこその最強パターンです。もっと増えればいいのにこのパターン。

出口さんと岩瀬さんの起業の経緯、ライフネット生命のコンセプトを応援したくて、わたしはライフネット生命に加入しました。確か2010年からなので、もう5年経ちます。レオスキャピタルワークス社長 藤野英人著『投資家が「お金」よりも大切にしていること』に書かれている通り、応援したい会社の商品や株を買うことは、買われる会社にとっても買う本人にとっても望ましいことです。

会社にとっては長期で保有してくれたら安定するし(特に株やストック型ビジネスの場合)、本人にとっては何と言っても気持ちがいい!お気に入りの服に袖を通した朝のほうな気持ちよさです。保険のことを考えるたび、「おれはライフネット生命応援してるんだぜ」って誇らしい気持ちになります。逆に顧客にそういう気持ちにさせる会社のブランディングって、凄まじいものがあります。一つのマーケティングの最適解でしょう。

タテヨコ思考

「今まではこうだったから、この先も同じでいい」という考え方はもはや通用しません。これからは、何が正しいかを局面ごとに自分で考え、判断していく能力が個人・学校・会社、さらには国家にも求められています。

そして、それができるようになるためには、現在自分が生活する居心地のいい空間を突き抜けること、そして「歴史というタテ軸」と「世界というヨコ軸」を自分の中にもつことが大切なのです。

歴史というタテ軸

 『大世界史』で佐藤優さんは「歴史を学ぶことによって、自分では実際には経験できないことを代理経験できる」と書いています。これと同じです。

inyoshoten.hatenablog.com

歴史として記録に残っている出来事は、現代であればビックイベントばかりなので、先達がどのように問題に対処したか、その結果何が起こったかは判断の参考になります。

手本になる歴史、反面教師になる歴史の2パターンがあります。歴史を2パターンに分けて頭の引き出しに入れておけば、いざというときにサッと出るかもしれません。上着と下着は別にするでしょう?あれと同じ感覚です。

1つ注意したいのは、歴史は曲げられているものだという前提があることです。歴史は勝者総取りで、時代が一区切りついた時点での勝者が記録をしています。死人に口なしのごとく、敗者に語る口は与えられないのです。例外は「新撰組」とか、ごく一部でしょう。新撰組もヒーロー物語になっているので信用しきれませんが。いつも悪役として描かれる芹沢鴨は、実は志高い良い奴だったという説もありますし。

 

世界というヨコ軸

出口さんが何か考え事をするときには、解を「日本の外の世界」に求めるそうです。ほかの国や地域から見ること=ヨコ思考です。そうなると世界中に目を配らなければならずハードルが高そうです。

しかし、何を知っているか?という知識の問題ではなく、自分はどう考えるか?という思考のクセの問題と捉えたらどうでしょう。報道で、もしくはネットニュースで誰でも主体的に情報が得られます。「自分はどう考えるか?」の質を高めるためには歴史認識がある程度必要でしょうから、タテ思考が活きてきます。

 

まとめ

 自分で判断するための軸とは「歴史というタテ軸」と「世界というヨコ軸」の2軸です。この2つは独立ではなく、互いに連動し合っています。歴史を学べば世界を理解する助けになり、世界に目を向ければ必然的に歴史を知らざるを得なくなるということです。

 

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最近流行の教養系です。教養を流行らせたのは出口さんかも知れません。