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【読書の技法】「知の巨人」佐藤優が毎月300冊以上も読破できる理由

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読書術の連載2冊目は佐藤優著『読書の技法』だ。

月1ペースという異常なスピードで本を出版し、大量の本を読破する元外務省主任分析官 佐藤優。現代の「知の巨人」とも呼ばれる彼の読書術からは、限られた時間をいかに有効活用するかを学ぶことができる。

《目次》

 

読書は「知へのショートカット」

現在52歳の著者は、そろそろ人生の残り時間が気になりはじめている。どんなに努力しても、知りたいことの大部分について、諦めなくてはならない。しかし、そう簡単に諦めたくない。そのときに役に立つのが読書だ。他人の経験、知的努力を、読書によって自分のものにするのだ。

佐藤さんは雑誌クーリエ・ジャポンの紙面上で「知へのショートカット」という連載をしている。毎号、中東とかロシアとか特定の社会情勢を知るために「これを読んでおけばおよそ把握できる」という本を紹介し、解説する連載だ。

読書とは文字通り「知へのショートカット」。「他人の経験、知的努力を、読書によって自分のものにする」という部分には強く共感する。読書の効用を一言で現す、本質を突いた言葉だ。よく咀嚼して頭に残しておきたい。

現在52歳の著者は、そろそろ人生の残り時間が気になりはじめている」という部分は、『島耕作』シリーズの弘兼憲史著『50歳からの「死に方」』の記事で書いたメメント・モリ、メメント「50歳」と関係する。かいつまんで言うと、「時間は限られている。それは50歳に限らず、20代、30代も同じだ」ということだ。

 

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3つに分類する読書術

人生の時間は限られているので、読書による「知へのショートカット」を最大限活用すべきだ。さらに、単位時間当たりの質の高い読書を追及するなら「本の選択」が必要になる。

佐藤さんは月平均300冊、多いと月500冊を超える数の本を読むという。驚異的だ。1年100冊程度読む」と著作に書いているドリームインキュベータの堀紘一と比較すると、36倍以上である。

これほど大量の本を消化できるのはなぜか?

速読、準速読、熟読と3つに分けて読んでいるから。これが理由だ。ドリームインキュベータ堀さんは本は一言一句読む主義らしく、それだと年間100冊が限界だ。佐藤さんも「熟読している本は月に平均4〜5冊」と書いている。熟読数で比較すれば、逆に堀さんよりも読んでいない計算だ。

速読の効用は、ただ単に「速く読める」ことだけではない。熟読できる本の数は限られているので、いかに良い本を読むか「選択」するためでもある。きっと堀さんも、スクリーニングする前なら年間100冊以上の本を候補にあげていることだろう。

読書の仕方には流派みたいなものがあって人ぞれぞれだろうが、ぼくには佐藤流の読み方がしっくりきている。実際「3つの分類」を意識した読書をはじめてからは、毎日1冊ペースで読めている。佐藤さんの月300冊以上と比べたら10分の1だが、彼は1日4時間以上も本を読むらしいし、そもそもの読書歴・実力が違う。

最後に、佐藤流から自分の経験も踏まえて「これがベスト」と今、ぼくが考える3つの分類・読み方をまとめておく。

  1. 速読 :30分以内で、ポイント2〜3点に絞って読む。ページの大半は飛ばす。逆に言えば、それほどの価値しかないと判断した本。
  2. 準速読:2時間程度で、全ページ読む。ポイント以外は要旨を把握できる範囲で飛ばし読み。いわゆるビジネス書で、価値ありと判断した本がこれに当たる。
  3. 熟読 :4時間以上かけて、じっくり一言一句理解しながら読む。生物系の少し専門的な本、哲学や歴史といった難しい本がこれに当たる。「熟読する価値のある本」は人によって違うので、そこは各自で探してほしい。

 

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