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【図解孫氏の兵法:鈴木博毅】孫武は合理主義者そのもの

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『孫氏の兵法』は紀元前500年頃の呉の将軍「孫武」が書いたといわれる、説明不要の兵法書。日本人が好きな古典だが、ビル・ゲイツはじめ欧米人にも良く読まれているようだ。 

《目次》

 

図解をバカにするのは機会損失

本題に入る前に、図解をバカにして読まないという人は機会損失してるよという話。図解の特徴はこの通り。

  • 「見開き」というパターンが繰り返される
  • イメージとともに内容が入ってくる
  • だから30秒で1項目を理解できる
  • 結果、1冊30分で読める

「1つの見開き30秒」で読んでみるといい。十分理解できるはずだ。1冊通すのに30分もかからないから集中も途切れない。

そもそも論で読書は投資なので、短時間でコンテンツを吸収できるに越したことはない。「図解は中身もペラペラ」とかいう人は、実際に図解以外の本を読んで「これは使える」と注目した箇所が何個あったか数えてみてほしい。結局5個以内に絞られるんじゃないか。それ以上は、あったとしても記憶に残らないから身にならない知識だ。

図解にも「これは使える」というポイントはもちろんある。そして短時間で読めるから「ベネフィット/時間」の効率が圧倒的によいのだ。

図解をバカにせず、手に取ってみてほしい。

 

戦わないのが最強

「ありのままの自分」が好きな人は、学ぶことを知りません。勝ち組の理屈にも関心を持たず、自分らしく生きて負けることになるのです。

 人は苦しくなると「自分らしく生きる」とか「ありのままの自分」とか言い出して、合理的に考えるのをやめてしまう。「正直」「誠実」に行動することと「ありのまま」は違うという事実を本心では分かっていても、窮地に立つと混同してしまうのだ。

「ありのまま」は「自分だけは救われるだろう」という根拠のない自信まで生んでしまう。無根拠な希望の末路はだいたい玉砕に終わる。ギャンブルの負けパターンそのものだ。

『孫子の兵法』では「勝てる見込みがなければ逃げろ」と言っている。「ありのまま」とか考えだしたら、それは逃げるタイミングの合図だ。

本著を読んで孫武は徹底的な合理主義者だったことがよく分かった。運は信じない。自分の能力も信じない。信じるのは、自軍と敵軍の現状分析と、不測の事態に陥らない入念な準備のみだ。

その上で正面突破は「兵力が相手の5倍」でなければ仕掛けない。ポジティブは失敗のもと。孫武の慎重さを見習いたい。

蛇足だが、『孫氏の兵法』の「戦わないのがベストな戦略」を地でいっているのがLINE元社長の森川さん。応用編として参考にしたい。


inyoshoten.hatenablog.com

 

鈴木博毅の他の本

これも名著の2次作品だからってなめてちゃいけません。よくまとまっている良著。表紙をみると実際52万部売れてるし、「失敗の本質」の著者の1人野中郁次郎先生も推薦している。