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【プロフェッショナルマネジャー】ユニクロ柳井経営の原点がここに!

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3月のkindle月替わりセール本の中でも割引率の高い『プロフェッショナルマネジャー』。紙の本が1440円のところ、kindle版が今なら399円。1041円(72%)も安い!

安かったし、ユニクロ柳井さんの「これが私の最高の教科書だ」の帯に惹かれてポチッと買って即読んだ。良くも悪くもユニクロらしさの原点が感じられる本だった。

語られる「経営」や「マネジャー」についての歯に衣着せないジェニーン節が爽快な一冊。

《目次》

 

柳井正の「はじめに」

僕が最初に「経営には覚悟がいる」と思ったのは、ある日突然、父親から資本金六〇〇万円の小郡商事株式会社の実印と通帳を黙って手渡されたときだった。

「後戻りはできない」と腹を決めた柳井さんが店舗展開の足がかりをつくっていたころ。山口県宇部市の書店にたった一冊置かれていた本著を手にし、彼は衝撃を受ける。

「僕の経営は甘い」と思い直した。そこから「わが社を今までにない革新的な企業にしたい」という夢を持ち、語りはじめた。社名をファーストリテイリングに変更し、野心的な目標を掲げてユニクロの全国チェーン展開をはじめた。

『プロフェッショナルマネジャー』という1冊の本がきっかけで、賛否はあろうが間違いなく日本を代表する企業が1つ誕生したのだ。あらためて本の力を思い知らされる事例だ。

 

ハロルド・ジェニーン

1977年以降にグループを解体した、米国のコングロマリット(多国籍企業)ITT(インターナショナル・テレフォン・アンド・テレグラフ・カンパニー)の元最高経営責任者。16歳でニューヨーク証券取引所のボーイとして働きだし、32歳のときに日本の真珠湾攻撃を経験した。

会計士でありながら数字のやりとりではなく実業をしたいという思いを持ち、転職を重ねて副社長、社長とキャリアアップしていく。米国はこの時代からはっきりと自分の待遇について上司と話し、希望にあわなければ転職でキャリアをあげていく感覚があったのだという歴史を感じさせるストーリーだ。

 

成功する秘密は「秘密なんかない」

自分たちが挙げる利益をよそへ持って行かれ、将来の成長の望みのない“キャッシュカウ”のレッテルを貼られた会社や事業部で、だれが働きたいと思うだろうか?

この一言がジェニーン流の経営の全てを現している。

もとは多国籍会社のキャッシュフローを整理するため、ハーバード大学ビジネススクールが案出した超有名な経営理論。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)のプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM:Product Portofolio Management)のことだが、本著ではハーバードの理論と紹介している。

スター、キャッシュカウ、ワイルドキャット、ドッグの4つに事業を分類して、収益性は高いが成長のポテンシャルの低い「キャッシュカウ」事業は利益を搾り取れ、どちらも低い負け犬の「ドッグ」は厄介払いしろという理論だ。

「そんな理論どおり行くわけないよな」と、どうも違和感を感じていたのだが、ジェニーン節でそれが正しい感覚だということがはっきり分かった。

“キャッシュカウ”のレッテルを貼られた会社や事業部で、だれが働きたい」そのとおりだ。続けて、どうしても処分しなければならない「ドッグ」事業は、のら犬ではなくグレーハウンドに仕立てて売るのが経営者の責任だとも言っている。

ジェニーンの提唱する「経営に関するセオリーG」の正体とはこれだ。

ビジネスでも人生でも成功する秘密は、秘密なんかないということだ。

 

結果を達成しなければ経営者ではない

業績というものは、改善というものさしで測られるのが普通なので、私はITTにおける私の目標を、一株当たり利益、年一〇%の増加と定めた。

 この後14年半、58四半期連続してITTは収益増を記録し、それは一株当たり収益の10%から15%の増加となって表れたそうだ。

まさに有言実行。「成功する秘密は、秘密なんかない」という感覚的な経営観を見せたかと思えば、一転するかのような徹底した結果主義だ。

しかし、彼のスタンスは一貫している。結果にコミットし、定石はないと知りながら目標達成にいたるための策を試し続ける。ひとつの対応がうまくいかなかったら次の対応を、そしてまた次を、と諦めずに取り組んで最後には達成するのが「経営する」ということなのだ。

 

ノーサプライズ

目標を達成するためには、経営者はいま現場で起きている問題点を知らなければならない。そのためにジェニーンがとった基本ポリシーは「ノーサプライズ」である。手遅れにならないうちに問題に対処できるように、悪い報告を上層部に速やかにあげることを現場に徹底させたのだ。

悪い報告をすること自体を決して責めないと現場のマネジャーたちを納得させた。反対に、問題を回避したり、しらを切って押し通そうとする者、他人の足を引っ張る者を非難した。

250もの子会社があるなかで、全てのジェネラルマネジャーを集めて現場報告をさせる会議体の徹底ぶりは凄まじい。ここまでやったからこそ巨大企業でも官僚主義に陥らずにチームワークを醸成し、競合を出し抜く一手を毎年打ち続けられたのだろう。

でも会議が多いと時間がなくなるだって?そこは目標達成に必要であれば、徹夜してでもやり遂げろということだ。この辺りは現在の基準に合わせると「ブラック」と言われるところだろう。

 

柳井正の本

本著の「はじめに」でも語っていた柳井さんの信条『一勝九敗』。数多く試したビジネスの中でも唯一成功したのがユニクロだ。

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