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【ビジョナリーカンパニー2:ジム・コリンズ】「意識高い系」愛読書と避けては損

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『ビジョナリーカンパニー2』と聞いて、どんな印象を持つだろうか?

ぶ厚いビジネス書。サイバーエージェントの藤田晋など著名な経営者にバイブルと称される名作。それら経営者の受け売りでドラッガー『マネジメント』と並んで「意識高い系」御用達となっている本。

常見陽平『「意識高い系」という病』では、イタい「意識高い系」の盛りに盛ったプロフィールでの愛読書として本著が登場する。

【「意識高い系」という病】「意識高い系」はなぜ6年以上も「はびこり続ける」のか - 引用書店

しかしこれだけは言っておきたい。

実際、名著中の名著なので読んだことのないビジネスパーソンは絶対読むべきだ。「意識高い系」のせいで変な扱いも受けてしまう本著だが、ジム・コリンズたちの膨大な調査と提言を一度も読まずにビジネス人生を終える手はない。

《目次》

 

ビジョナリーカンパニー2の位置づけ

1996年のある日、コリンズは「『ビジョナリーカンパニー』に書かれている企業はほとんど、はじめから偉大だった。じゃあ偉大ではない企業はどうすればいいんだ?」とマッキンゼーのディレクターに言われた。これがきかっけで本著が誕生した。

原題はまさに『GOOD TO GREAT』。コリンズが一億ドル積まれても破棄したくないと書いたほど、延べ一万五千時間におよぶ膨大な調査に基づいた大作だ。

 

運や人のせいにすれば成長は望めない

第五水準の指導者は成功を収めたときは窓の外を見て、成功をもたらした要因を見つけ出す(具体的な人物や出来事が見つからない場合には、幸運を持ち出す)。結果が悪かったときは鏡を見て、自分に責任があると考える(運が悪かったからだとは考えない)。

野村克也元監督も「勝ちに不思議あり、負けに不思議なし」と言っている。

「不思議」は運を意味しているようにみえるが、野村さんも負けたときには「自分の采配」に対して「不思議」つまり理由を見出していたはずだ。

コリンズのメッセージで重要な点は、失敗したときは「自分に責任があると考える(運が悪かったからだとは考えない)」ことだ。

十六世紀以前、理解できないことがあると人は神に答えを求めた。全てを神のせいにしたことで、科学技術の発展が遅れたことは想像に難くない。

失敗したとき、運や人に理由を求めてはいけない。運や人のせいにすれば成長は止まる。ただし、それをバカ正直に周囲に表明するかどうかは別だ。いろいろな人間がいるので、あなたが無駄に責められる可能性もある。自分の心の中で思考を回して、次につなげればいい。

 

だれをバスに乗せるか

偉大な企業への飛躍をもたらした経営者は、まずはじめにバスの目的地を決め、つぎに目的地までの旅をともにする人びとをバスに乗せる方法をとったわけではない。まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうべきかを決めている。

「だれをバスに乗せるか」は有名なフレーズだが、勘違いされることが多い。

「適切な人をバスにのせ、不適切なひとをバスから降ろす」⇒「どこに向かうべきかを決め」るという順番が重要だ。ただ単に、人選びが大事ですよと言っているのではない。

人を決めてから事業を決めるメリットは3つだ。

  • 環境の変化に適応しやすくなる。
  • モチベーションをあげたり過剰な管理をしなくてもいい。
  • 足を引っ張るやつがいない。

これは全て立ち上げた後に起こることだ。そのため、人の適切な選択は立ち上げ時だけ気をつければ良いわけではない。そうだとしたら既存の企業には使えない理論になる。例えば、常時「足を引っ張りそうなやつ」を入れないよう細心の注意を払うべきだ。

ベストセラーのゆえんか、他にも印象に残るフレーズが多い。「コッテージ・チーズを洗う」話は例えが米国らしくて頭に残るお気に入りのくだりだ。

本というものは読む人、読む時期によって違うメッセージが頭に残るものだ。本著は読者によるブレが大きい本なので、まだ読んだことのない人は一度、もう読んだことのある人は今一度、読んでみてほしい。

 

ビジョナリーカンパニー3

2を読んだら次は3という順番もあるが、僕個人としては『ビジョナリーカンパニー2』がベストで『ビジョナリーカンパニー3』が2番手だ。