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【寝たきりだけど社長やってます:佐藤仙務】何のために働くのか?

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 「他で働く場所がなかった」

ホームページ制作会社「仙拓」の社長佐藤仙務は、「なぜわざわざ会社なんてやるの?」と聞かれたとき、こう答えるのだそうだ。

《目次》

 

重度障害者2人で起業

左手で動くのは、親指が数ミリだけ、右手は親指が1センチ前後動くだけだ。つまり、僕は、この2つの指と、会話、表情を用いて仕事をすることになる。

佐藤さんが抱えている障害は「脊髄性筋萎縮症」と呼ばれ、脊髄から筋肉を動かす神経への命令がうまく伝達されないという疾患だ。共同経営者の松元さんも同じ障害で、「仙拓」という社名は彼らの名前の頭文字をとったものだ。

佐藤さんの障害は身体的なものだけで、知能は健常人と同じである。だから自分も他の人と同じように学校を卒業したら、就職して社会に出て行くのが当たり前だと子供のころから考えていたそうだ。

しかし、職場候補の実習先から帰るとき、母親が迎えにくることを伝えると「親が甘やかしやがって・・・1人で通わせろよ」と厳しい言葉を投げかけられた。障害者にこんな暴言を吐くなんて信じられないが、事実だそうだ。

また体が動かない分、インターネットの世界が身近だった佐藤さんは上記のような諸々の経緯で起業することにした。

 

仙拓の仕事、売上と収入

本のなかでは「ホームページ制作」「名刺作成」だけだったが、今は「クラウド請求書管理サービス」も請け負っている。

ホームページ制作・デザイン名刺作成なら株式会社仙拓

設立初年度2012年の売上は76万円で、収入は1万/月程度だったらしいが、2014年には月収20万円を確保できるほどになったようだ。

 

働く意味とは

彼らの働くモチベーションは何なのか?

この疑問を抱きながら本を読み進めていった。おそらく「自分たちでも社会のためになっている」という実感がモチベーションなのだろうと予想していたが、最後に答えが明記されていた。

誰かの役に立つこと、お金をもらうこと、その2つの視点があったんですけど、仕事をしていく中で、それだけではない喜びがあったりとか快感があったりとか、いろいろな人と出会う中で、自分の人生の幅が広がっていく気がするようになったんです。

「 人生の幅が広がっていく」。考えてみればそうだ。この喜びを自分は忘れかけていたような気がした。

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