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【史上最強の哲学入門:飲茶】バキ的な設定?超わかりやすい哲学本

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『グラップラー刃牙』の熱烈ファンである著者が、哲学者をバキ的に描いた哲学本『史上最強の哲学入門』。

哲学者入場!

哲学の聖地、東京ドーム地下討議場では、今まさに史上最大の哲学議論大会が行われようとしていた・・・。

「史上最高の『真理』を知りたいかーッ!」

《目次》

 

超わかりやすい超訳

「プラグマティズム」とは、ようするに、「真理かどうかはどうでもよく、実際の生活に役に立つかどうかだけを考えよう」というミモフタモナイ考え方のことである。

この本の特徴は、とにかく「超訳」といくら言われようとも「超わかりやすく」を最優先している点だ。

上記は「実践主義の道具主義哲学者」デューイの得意技「プラグマティズム」の説明である。一応、バキ感を出すために通称(二つ名的な?)と得意技とともに、哲学者31人が地下討議場に集まった設定で描かれている。

他にも、こんな感じで超わかりやすい超訳が満載である。

  • 中世哲学:信仰によって真理に到達しよう
  • 近代哲学:理性によって真理に到達しよう
  • ルネサンス:古代の栄光を取り戻そう運動
  • 宗教改革:教会が免罪符を売りさばくのはいけないと思います運動
  • ニーチェの「超人」:強くなりたいという意志をしっかりと自覚して目を背けない
  • サルトルの「自由の刑」:自分が選んできたことだから誰にも文句はいえない
  • 神話の崩壊:農耕と巨大な都市国家(ポリス)の形成がきっかけ

 

案外ナメてはいけない

彼は、なにも「無知を自覚している自分は偉いぞ」と謙虚さを誇りたかったわけではない。そうではなく、彼は、無知を自覚してこそ「真理を知りたいと願う熱い気持ち」が胸の内にわき起こってくるのだということをみんなに伝えたかったのだ。

ソクラテスの「無知の知」を説明した部分だ。「無知の知」とは自分が知らないということを知るだけではない。「知りたい」という欲求をわき起こさせるというところに主眼が置かれているのだ。

これ、知っていただろうか?

超わかりやすい本だが、案外ナメてはいけない。

他にも、カントの「人間はモノ自体には到達できない」という考え方で哲学という学問が「人知を超えた真理」を求めるロマン的な方向から、「人間にとっての真理」を探求する学問に変わった「真理のコペルニクス的転回」の説明などは、簡単に書いてあるが相当深く理解できる。

その違う世界に住む「生物X」は、僕らのことを「あの人間とかいうグニャグニャのグロテスクな生き物は、宇宙のホントウの姿をまったくわかっていない。宇宙が三次元空間だって?わはははは、そんなわけないだろ」と笑っているかもしれないのである。

(まあ、このあたりを語っているときは全然バキ的要素なくなってるのだが) 

 

他の超わかりやすい哲学本

ピクト図みたいな絵と、見開きか1ページでサクサク哲学者の考えを紹介していく『哲学用語図鑑』。これも超わかりやすい。 

哲学本をまったく読んだことない人は『史上最強の哲学入門』か『哲学用語図鑑』を一度読んでおくべき。絶対おすすめ。

『世界十五大哲学』は前の2冊より少し難しめだけど、これもかなり面白い。元外務省外交官で作家の佐藤優がおすすめしたことで復刊した伝説的一冊。

【世界十五大哲学:大井正/寺沢恒信】イチかゼロか、それが問題だ - 引用書店