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【期待の科学】スポーツ選手に捧ぐ!プラセボ効果を味方につける3つの秘訣

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kindle4月の月替わりセールからの1冊『期待の科学』。

「思い込み」や「プラセボ効果」についての本だ。

《目次》

 

プラセボ効果と思い込みにまつわる話

僕はバイオ・医学系の仕事をしていて、臨床試験をデザインするときに「プラセボ効果」は当然考慮しなければならない要素だ。

「プラセボ効果」より少し軽くて幅広い言葉「思い込み」に関しては、中学生のときに「思い込みについて」という作文を国語の授業で書いた記憶がある。当時から、なぜ人は個々の認識によって事実と違うことを信じ込むことができるのだろう?その効果はどれほどあるのだろう?という漠然とした疑問をもっていた。

このように「プラセボ効果」や「思い込み」は僕にとって仕事で身近な要素であると同時に強い興味対象なのである。

ちなみに中学時代の作文は、国語の先生から「この作文自体が君の思い込みでは?」とウィットの効いたコメントを赤で書かれて頭にきた覚えがある。

 

プラセボ実験の歴史

委員たちは、「病気が治った」というのは患者の想像力のせいだと考えた。「絶対に治る」と言われてそう信じ込んでいる。すべては心の中だけで起きているというわけだ。

プラセボ実験の歴史は、ドイツ生まれでパリに移住したフランツ・アントン・メスメルという医師の「磁気療法」からはじまる。

彼は人間の身体には地球と同じような磁極があると考え、磁力を帯びた棒などを体にあてて病気を治療していた。これが結構効いたらしく、パリでは評判を呼んでいた。

しかし、これはエセ医学ではないかと疑問視したフランス医学会は委員会を立ち上げて、患者に「磁化した」とウソを告げて水を飲ませたり、木に近づけさせた。実際には全く磁化していなかったにも関わらず、メスメルの磁気療法と同じ効果が得られた。

これが世界初のプラセボ実験である。以来、プラセボ効果という現象は医学会で広まり、今では新薬の開発では必須の考え方になっている。

 

プラセボ効果を味方につける3つの秘訣

スポーツ選手に実践してほしい、プラセボ効果を味方につける3つの秘訣とはこれだ。

1.プラセボ薬を飲んで本気で騙される

手っ取り早いのが、トレーナーや他の部員とかに用意してもらったプラセボ薬を飲むことだ。錠剤でもいいし、ドリンクでもいい。

本著に紹介されていた実験では、「即効性の筋肉増強剤」と言われて偽のステロイドを投与された重量挙げ選手は、1週間後のテストで持ち上げられる重量が3〜5%増えていたそうだ。

2.やる気を煽る

スピード競技の場合、闘争心の高い選手には「実際より遅いタイム」を練習の記録として伝える。そうすると「このタイムじゃヤバい!」と思って必死になる。

オーストラリアの水泳コーチだったハリー・ギャラガーは、ストップウォッチに細工をして遅いタイムを選手に告げ続けた。結果、指導した選手にオリンピックで9つの金メダル、50の世界記録を達成した。

ただし、これは闘争心の高い選手に限られる方法なので注意が必要だ。悲観的な正確の選手だと逆効果。

3.ラッキーアイテムでゲン担ぎ

ゲン担ぎも甘くみてはいけない。前の2つの秘訣と違う点は「自分で分かっている」というところだ。

広義のプラセボ効果は自分で分かっていても発揮される。これがあれば大丈夫だと「思い込む」ことが、緊張時の安心につながる。

 

プレッシャーに強くなる方法

プレッシャーに強くなるためには、練習中に本番を想定すること。相手との対峙、格闘をリアルに想定したバキのように。

球技であれば「この1球で勝負が決まる」と想定して1つ1つの練習をこなすことで、実際に「勝負が決まる」場面が試合で出てきたときにプレッシャーに負けずによいプレイができる。

それでもプレッシャーに晒されたときは、ごちゃごちゃ考えずにシンプルにプレイするとよい。サッカーのPKであれば早く蹴るべきだ。数字を数えたり歌を歌って、今のプレッシャーに晒された状況から脳を解放させるのも効果がある。

スポーツ選手に限らず、ゲン担ぎやプレッシャーに強くなる方法は僕たちの日常生活や仕事でも十分使えるので試してみては。