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THE INYOSHOTEN PLUS

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怒っている人を一瞬で冷静にさせるたった1つの方法

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DaiGoの本に引き続き、今回もメンタリズムについて書く。

inyoshoten.hatenablog.com

 

僕はノンフィクションを読むとき、必ず2〜3冊を一気に読むことに決めている。最低限2冊であり、読みはじめて実入りがなさそうなジャンルであっても1冊で止めることはまずない。

損切りの観点では1冊目をざっと読んで全く読まないのがセオリーのように思えるだろうが、その1冊がつまらないのはジャンルではなく著者のせいかもしれないからだ。少なくとも複数の書き手の本にふれなければ、チャンスを逃してしまう可能性が結構高い。

深く学びたいと思えば5冊、10冊と積み重ねていく。準乱読とでも言ったら良いのだろうか、読んでいるうちに次第に関連するジャンルに波及していく。例えばメンタリズムであれば、スパイ系や、独裁者やマキャベリズムに関する本と組み合わせて理解すれば使えるかもしれない。そういうわけで、これからメンタリズム(心理術)を実際に使って大成したであろう歴史上の人物系を読み直したり買い足したりしていこうと思っているところだ。

さて、前置きが長くなったが今回記事にするのは2015年に日本にも「一般社団法人日本マインドリーディング協会」(どうしても怪しく聞こえる)を立ち上げたロミオ・ロドリゲス・Jr.の『黒すぎる心理術』。DaiGoの本『限りなく黒に近いグレーな心理術』と比べると、タイトルからして「限りなく黒に近い」から「黒すぎる」へと黒さのスペクトラムが随分増した一冊だ。 

《目次》

 

ダークサイドの心理術

平和を守るために使われるフォースもあれば、悪に使うフォースもあります。どちらも力の根源は同じなのですが、結局は使い手の意思に任せられるわけです。

スターウォーズほど「力(フォース)は使い方次第」というメッセージを全面に押し出している映画はない。著者も専門とするメンタリズムをスターウォーズのフォースとのアナロジーで語っている。

それにしても本著には人を騙すことを目的とした「黒すぎる心理術」が多すぎる。ここまでダークサイドの心理術を学ばせると、ダークサイドに陥るなと言われる方が難しいかもしれない。性善説など妄想の世界で、現実の人間社会はご存知の通り殺伐としている。

 

出会った人を「型にはめて見る」メリット

メンタルマイニングでは基本的に5つの心の状態を取り上げ、相手の性格を見抜いていきます。まず「父親の役割」の厳しさを示す心。「母親的な態度」の優しさを示す心。次に「大人な態度」の理性を示す心。そして「自由な子の心」の自由奔奔さを示す心。最後に「いい子の心」の協調性を示す心です。

会話の中で、父親らしい(厳しさ)か、母親らしいか(優しさ)、大人か(理性)、子供か(自由奔放)、いい子か(協調性)の5つの要素で高い値と低い値をおよそ算出し、当てはめていくという方法だ。

何が秀逸かというと、まず単に「厳しさ」というより「父親の役割」と考えると1つ1つの要素がイメージしやすい点だ。同僚や周りの友人など誰かを例に出して、試してみてほしい。割とスコアをつけやすいことに気づくはずだ。

さらに僕がこの診断の最たる利点と思える点は、型にはめて見るという行為そのものにある。全ての情報は、あらかじめ型を決めておいてそこに放り込めばスッキリと理解できるもの。リンゴは果物、キャベツは野菜、と区分することで僕たちの頭の中は整理されている。ビジネスで情報整理や戦略立案のための数多くの型が存在するのはこのためだ。

同じように、人もあらかじめ設定した型にはめる。そうすることで、観察しようという明確な意識が生まれる。ただ漫然とコミュニケーションをとるのではなく、緊張感を持って人と接することができる。メンタリストの彼らは、間違いなく出会った人を隈無く観察しているはずだ。こうなるとすでに会った時点で、我々は彼らに負けていることになる。自分が観察者側に立てば、少なくとも漫然と人と会話している人より有意に立てるはずだ。ぜひ試してみてほしい。

 

洗脳に近い心理術

悪名高いナチスドイツのヒトラーが演説をするとき、決まって夕方の5時から7時の間に行ったといわれています。(中略)

ヒトラーが行うスピーチを聞くと、冒頭部分はかなり早口言葉です。早口でまくしたて、聞き手が聞くことにやや疲れてきたところで、今度はゆっくりとわかりやすく植え付けたいメッセージを投げかけます。

ヒトラーにはエリック・ヤン・ハヌッセンという直接メンタリズムを伝えた人物がついていたそうだ。彼の助言に従ってか、あるいは自身の判断で民衆を揺動するパフォーマンスを繰り返して、洗脳していった。

他にも、最初に褒めておいて、次にけなして自尊心を傷つける。その後またべた褒めして自分への依存心を高めさせる。

簡単な質問で相手の「はい」と言わせておいて、その流れに沿った難しい要求を投げかけることで相手に論理矛盾をつくらせ、罪悪感を抱かせる。あとはものを売るなり自由。

アンチピグマリオン効果といって、「お前は逃げてもだれもかくまってくれない」「だれも味方がいない」「誰もお前を助けてくれない」と繰り返しけなすことで、「逃げてもどうせ無駄だ」と自分の価値を極限まで下げる方法など、悪用してはならない洗脳術も多く書かれている。千葉大学の学生が2年間も女子中学生を監禁していたというニュースは記憶に新しいが、「え、なんで!逃げればいいのに」と何も知らない人は思うかもしれないが、当人の心理状態は推し量れないものがある。強い洗脳状態にあったのかもしれない。

本著を読み進めていると、ToshIのケースはまさに洗脳の王道だったのだなと感じる。少しオウム的でもある。 過去に記事を書いていたので、ケーススタディとして読んでみてほしい。

inyoshoten.hatenablog.com

 

怒っている人を一瞬で冷静にさせるたった1つの方法

目の前に頭に血が上って、完全に逆上している人がいる!何だか自分にも怒りの矛先は向いているようだ。そんなとき、あなたはどうする?

正解は、あなたがさらに怒ることです。

記事タイトルにするほど、僕が一番即使えると思った心理術がコレ。普通、逆上した人がいたらなるべく関わらないようにするが、そうやって無視されると怒っている本人は余計に腹が立つ。しかし、いきなり目の前に自分より怒っている人がいると、人は我に返り、一瞬で冷静になる。これは、人間が外敵から自分を守るために危険を察知するよう遺伝子に組み込まれているからだという。

怒りの矛先が自分であっても、ひるまずに激しい怒りで対応する。責められたら責め返す。脅されたら脅し返す。責任を押し付けられたら押し付け返す。もう古いが「倍返しだ!」とは良く言ったものだが、「後で仕返ししてやる」ではなく、その場で倍のテンションで感情をぶつけてやると相手はひるむ。

洗脳術も含めて使い過ぎは禁物だが、ここぞというときに使っていきたい。